ミーティングでの資料説明って無駄ですよね。
伝えたいことがうまく伝わらない、何度も説明を求められてモヤモヤしたこと、ありませんか。
どうすればスムーズに伝えられるのでしょうか。
この記事では、聞き手の情報の受け取り方を利用して、説明なしで伝わるスライドの作り方をお伝えします。
情報の受け取り方は2種類ある
私たちが何か情報を受け取るとき、その処理の仕方は2種類しかありません。
速い思考と、遅い思考です。
速い思考
・赤信号で止まる
・好きな芸能人のCMで見た商品を買う
・人相の悪い人が犯人だと決めつける
速い思考はとくに意識せず自動的に出る思考で、直感的な判断が得意です。しかしくせや思いつきなどのバイアスに引きずられたり、表面的なものに騙されたり間違った判断をしてしまうことがあります。また自分でスイッチオフできません。
遅い思考
・レポートを書きながら友人の話に相づちをうつ
・新商品の需要予測をたてる
・新しいiPhoneの性能差を比較する
速い思考で対処できなくなると、遅い思考が出てきます。遅い思考は記憶や知識をもとに考え、未経験の問題や難しい問題でも答えを導くことができます。しかし使うには努力や注意力を要します。
まず前提として、人間の情報処理にはこれらの2種類があるということを知っておいてください。
速い思考に働きかける
説明なしで情報を伝えるには、速い思考に働きかけるのが手っ取り早いです。
そもそも聞き手に効果的にメッセージを伝える方法は、2つあります。
1つ目は速い思考に働きかけ、伝えたいメッセージだけを伝える方法です。
伝えたいメッセージを明確にし、不必要な情報を一切削ぎ落としたうえで、画像やグラフなどで聞き手を誘導します。
2つ目はあえて疑問を抱かせて遅い思考を引き出し、すぐに答えを与えることで納得させる方法です。
この方法では、答え=メッセージとなるような疑問をうまく準備しなければ、聞き手は納得しません。
今回はできるだけ余計な説明を省きたいので、1つ目の方法を使ってスライドを作成します。
伝えたいメッセージだけを伝える
本や新聞の文章を読んでいるとき、だんだん疲れてくると文字全体を絵として見てしまう瞬間がきませんか?
ふつう文章を理解するには遅い思考が必要です。しかし集中力が切れて速い思考に戻ってしまうと、文章=ただの文字の羅列としてしか認識できなくなります。
つまり、文章の内容は遅い思考でないと読み取ってもらえませんが、画像は速い思考でも読み取ってもらえるのです。
今回はメッセージを確実に伝えたいので、画像やグラフを効果的に使うことにします。
伝えたいメッセージを明確にする
まず、スライドごとに伝えたいメッセージを1つだけ明確にします。
色々書きたい気持ちはわかりますが、話題が広がってしまうと何を伝えたいのかが薄まり、聞き手は困惑してしまいます。
1スライド=1メッセージを守り、まずはそのスライドで一番伝えたいメッセージを考えましょう。
良いメッセージは、以下3つの条件を満たします。ぜひチェックしてください。
1. 簡潔
2. 具体的
3. 聞き手にとってのメリットがわかる
良いキャッチコピーが思いつかない人はこの3つのポイントが抜けているかもしれない
メッセージ以外の文章を消す
次に、スライドからタイトル以外の文章を消してください。
基本的に聞き手は速い思考です。スライドをただ見ているだけで、読んでくれません。その聞き手相手にいくら文章を練ったところで効果は薄いでしょう。
文章や箇条書きはやめて、ただ見ているだけの聞き手にも分かる、グラフや画像に変更します。
メッセージを伝えるための画像を選ぶ
文章・箇条書きを削除したら、メッセージを伝えるための画像を選んでいきます。
画像は伝えたいメッセージに即したものにします。
具体的には
①メッセージをそのまま表すもの
②メッセージの具体例
③メッセージを表す概念
のどれかにします。
例えば
メッセージ
『○○○(新商品)のポイントは、手軽さと本格さの両立』
画像
:新商品の手軽さと本格さを表す写真
①新商品の画像
②コンビニとプロの料理人の画像
③シーソーや天秤の画像
例えば②だと、こうなります。
伝えたいメッセージである、『○○○(新商品)のポイントは、手軽さと本格さの両立』が伝わるような内容になっていますよね。
このようにメッセージに即した画像を使うことで、伝えたいメッセージだけを伝えることができます。
まとめ
情報の受け取り方は2種類あり、速い思考だけでも理解できるよう画像中心のスライドにすると、説明なしにメッセージを伝えられます。
ミーティングやプレゼンでいちいち説明したくない場合や、読むだけでメッセージが伝わるスライドを作りたい場合に、ぜひ参考にしてください。